ショウガ科の多年草で春に花の咲く春ウコン。秋ウコンより精油成分が豊富で、ウコンの中では特に薬効が高いといわれています。
「ウコン」はカレーの香辛料に使用されるショウガ科の多年草で、インドや中国で古くから、黄疸などに効く生薬として珍重されていました。日本に伝来したのは室町時代といわれ江戸時代に中期には肝臓や胃腸の薬、強心薬として広く普及しました。現在でもウコンの薬効には定評があります。実際に食用とされる部分は根茎部で直径3~4cm。「ウコン」の有効成分は、クルクミンを始め製油成分のターメロン、シネオール、α-クルクメン、クルクモール等が挙げられます。
春ウコン(キョウオウ:学名はクルクマ・アロマティカ)、秋ウコン(ウコン:学名はクルクマ・ロンガ)、紫ウコン(ガジュツ:学名はクルクマ・ゼドアリア)の三種類があります。
春にピンク色の花の咲く春ウコンの根茎は、昔から妾黄(キョウオウ)と呼ばれ薬草として愛用されていました。クルクミンの含有量は「秋ウコン」の方が多いですが「春ウコン」には多くの精油成分が含まれています。そのため味の面で、春ウコンは刺激性のある辛味と苦味があり、秋ウコンは特有の香りはあるものの、苦味はあまりないのが特長です。
ターメロン・・・胆汁の分泌を促進する作用(利胆)とすぐれた殺菌効果があります。
シネオール・・・胆汁分泌促進作用(利胆)、健胃作用、殺菌作用、防腐作用にすぐれた効果があります。
α-クルクメン・・・抗がん作用の強い活性があり、体内のコレステロールを溶かす作用もあります。
クルクモール・・・抗がん作用の強い活性があります。
カンファー・・・神経の興奮作用、強心作用があります。
アズレン・・・炎症や潰瘍を治し、胃液のペプシンを抑える作用があります。
クルクミン・・・肝臓の働きを強化し、胆汁の分泌を促進します。また利尿作用もあります。
● 胃腸が弱い方
● 肝臓病が気になる方
● ダイエットしたい方
● ガンや生活習慣病が気になる方
● 二日酔いになりやすい方
ウコンは肝臓障害を改善・予防し、肝臓の機能強化にはたらくとされています。これは、ウコンの主成分であるクルクミンの強い解毒作用と胆汁の分泌を著しく促進する作用によるものと考えらています。
肝臓の重要な働きのひとつに胆汁の生産があります。胆汁とは腸内の消化・吸収を助けるためのもので、胆汁酸、ビリルビン(胆汁色素)、コレステロールなどの成分が含まれ、1日に0.5~1リットル程つくられます。胆汁は胆嚢でいったん蓄えられ、十二指腸へ送られます。ウコンは強力な抗酸化作用と胆汁分泌促進作用により血中コレステロールを減少させます。
レシチン(豆や卵黄に含まれる)と組み合わせるとダイエット効果もあります。
香辛成分である精油(ターメロール、フェラドレン)には殺菌効果があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因であるピロリ菌を除去する作用に期待されています。
ガンの発生過程は、遺伝子を傷つける「イニシエーション」、ガン化を促進する「プロモーション」、悪性化の「プログレッション」の3段階に分けられます。
クルクミンには発ガンプロモーションを抑制する強力な作用があることがアメリカの皮膚ガンについての動物実験などで判明しました。その後、日米ともに、研究グループがクルクミンは大腸ガンを抑制することを確認し、最近ではクルクミンを経口摂取すると腸管でテトラヒドロクルクミンというさらに強力な抗酸化物質に変化することが分かりました。さらに、このテトラヒドロクルクミンは腎臓ガンを予防することも明らかにされ、その他、肺ガン予防にも効果が期待されています。
テトラヒドロクルクミンの抗酸化作用で肌を紫外線や活性酸素から守ります。
乳酸菌(ヨーグルト、チーズなどに含まれる)を一緒に摂るとより効果的です。
糖尿病は腎不全や白内障、神経障害、動脈硬化などの合併症に気を付けなければならないのですが、これらの原因には活性酸素による酸化ストレスが大きく関係しています。ウコンに多く含まれるクルクミンとクルクミン代謝物のテトラヒドロクルクミンの抗酸化作用に大きな期待がかけられています。
春ウコンについてお読みになってより詳しく知りたい方は、
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